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2011/03/29

プロジェクト「エックス」

私の会社は、小さいながられっきとしたメーカーである。
業界の中で、その製品を見た場合、日本国内の60%以上のシェアを有するものが何点もある。
従って、供給責任の度合いは大きく、リスクマネジメントに対する概念も比較的高い位置にある。

今回、震災が金曜日にあった。
そして、月曜日には各製品の材料・・・所謂風下産業の状態の確認を指示している。

そして、早い段階で、製品の中の一部が福島原子力発電所からそう遠くない場所で製造していることが判明している。
当初、製造工場と設備、従業員(後日数名が津波にさらわれていることが判明)は無事であるという連絡だった。
だが、原子力発電所が爆発事故を発生させてから、事態は急変し、放射性物質の拡散に伴い、工場従業員も30km圏外へと避難していった。

製品の材料は、私の会社の工場に一ヶ月分、製造会社の倉庫に一ヶ月分、総計2か月分があった。
震災と津波災害による物流ラインの停止を考慮して、製品の出荷制限を行えば、なんとかなるだろうかと考えていたが、原発事故ではそれらの甘い考えは吹っ飛んでしまった。
現時点の読みでは夏シーズン過ぎても、立ち入り禁止は狭まることはなく、むしろ広がるのではとも思っている。

その製品の材料と同等の性能を有するものは、国内で複数社存在していたが、ここ近年生産を中止している。
代替え材料を数少ない会社に求めても、私たちが要求する数量まで用意できないということが判明。
今からでは増産も間に合わない。

西日本にある、中規模のメーカーは競合会社と提携している。

・・・・・・・・・・ここからが行動が早かった。

一時は業界を二分する、ライバルメーカーに出かけた。
「材料を分けてもらいたい」

今回の震災で、協力工場が被害を受け、製造できなくなった分の肩代わりに、私の会社の協力工場を開放し、自由に使用する許可を複数社に出した。
その会社の中に、そのライバル会社も含まれている。

材料メーカーの撤退と法令の関係で、認定を取得した製品が制作できなくなり、私の会社のライセンスを開放し、材料も安価に提供して製造許可と販売許可を出したこともある。

だが、それらはいずれも規模の小さいものである。

今回の問題は、それらとは比べものにならないほどに大きな問題である。
簡単に「いいですよ」と言えるものではない。

場合によっては、同一材料で競合が発生する危険もはらむ。

・・・・・・・・・ここは駆け引きか・・・・・と思っていた。

だが、次に出てきた言葉は・・・「協力しましょう」・・・一言返事だった。

「あなたは忘れてしまったかもしれないが、その昔私はあなたに助けられたことがある」

・・・・・思い出した。
東京ディズニーランドがまだ更地だった頃。

細かい話は飛ばすが、彼がその物件で窮地に追い込まれていた。
ユーザーは、私をターゲットにして話を投げかけてきたが、その時彼の重要な立場を直感的に察し、私は彼のサポートに回ったことがある。

結構大きな仕事を振ってしまったことになるが、相手の弱みにつけこんでまで、私は推し進める気になれなかった。
営業としては失格である。

多分、そのようなことから忘れてしまったのだろう、言われて思い出した。
だが、彼は忘れていなかったのだ。

そして、今回その彼が私の会社の窮地を救ってくれた。

・・・・・私は再び昔のことは忘れると思う。

でも、今回のことはきっと一生忘れない。
必ず、どこかでこの恩を返したい。

そして・・・・心から、お礼を言いたい。


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